嫌われ松子の一生


人生における転落とは一体、何だろうか?
松子の場合は、公立中学の教師から娼婦になったこと、覚せい剤に溺れ人を殺し、ろくでもない男にひっかかること、だったかもしれない。
そうだとして、一般人にだって、娼婦にならずとも犯罪に手を染めずとも、大なり小なり、「転落」はつきものではないのだろうか?
同僚や上司とうまくいかず会社を辞める、仕事がつらくなって会社をやめる、やめたはいいけど次の勤め先が見つからない、リストラされる、家に引きこもる、同期に先を越される、降格させられる、結婚を前提に交際していた相手からふられる、結婚を強く望んでいるのに結婚できない、離婚する、だんなに浮気される、借金が返せなくなる、、、、
転落は彼方にあるようでいて、実はすぐそばにあるのかもしれない。

転落も単なる挫折として考え、そこから這い上がれるならそれもありだろう。
けれど、這い上がれないほどのどん底に落ちるとしたら。
転落の引き金になるものとは、一体、何なのか?
転落しないために必要なものとは、一体、何なのか?

それは要所要所で冷静に判断を下すこと、
感情的、衝動的に行動しないこと、
自分を好きになってくれたという理由だけで男についていかないこと、
か?

松子は校長と修学旅行の下見に行ったとき、旅行会社の陰謀や校長の下心を察知することができず、校長と同じ部屋に泊まるはめになる。本番の修学旅行では、生徒が引き起こした窃盗事件で身代わりになり、犯人扱いされることになる。
この2つの事件がきっかけとなって松子は転落していくのだ。
下見のときも、生徒が窃盗事件を起こしたときも、冷静に判断し、しかるべき対応ができていれば、結果はちがったのかもしれない。どちらの場合も、とても難しい局面だと思う。自分が同じ立場に立ったとき、私だったらどう行動するだろうか?松子のような行動は取らないと言い切れるだろうか?

松子は衝動的に感情の赴くまま行動することも多い。それは身の破綻を招く。
理性が働かない、嫌なことがあるとすぐにそれを表現せずにはいられない。

自分を好きになってくれる男にほいほいついていく松子。その姿は、私に好意を示してくれたザウルスくんやブラピ氏に私がほいほいなびいたこととも重なる。それはもしかすると私にとって「転落」だったのかもしれない。その恋がなければ、本当は今頃もっと幸せだったかもしれない。ブラピ氏に決別のメールをもらって、それでも彼を追いかけていれば今頃、私も「松子」と化していたかもしれない。

「転落」はすぐそばにあるのだ。


【2006/07/13 21:50】 | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0)
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29歳バリキャリ女が読んでる本


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29歳、独身、ごく一般的な企業の正社員、職場の人間関係最悪、組織の歯車感拭えず、将来への不安大、片想いばかりで恋愛成就せず、友人少なく土日は孤独で読書に没頭、そんなワーキングガールです。

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